私の私の新宿三丁目物語②〜新宿2丁目へ
タツヤとユウジに出会ったその夜、
タツヤの働くゲイバーはそれ以上お客さんは来ない様子だったので店じまいすることに。
せっかく一念発起して来たわけだしと、他のゲイバーにも連れて行ってあげるよ!とタツヤが言ってくれて、新宿二丁目に繰り出すことに!
まさか初めて行った店でこんな出会いがあるとも思っていなかったし、更に新境地を開けるとは!ウキウキで私は付いていった。
二丁目には、多種多様な店があることを知った。
女人禁制の店、男性同伴なら入店可能な店、観光バー、ニューハーフバー、レズバー、LGBTのクラブ、、ディープなところだとハッテン場、ウリ専バー、、
知識が増える増える。
その後はもっとディープなゲイ事情も知っていくのだけど。
タツヤが連れていってくれるのは、基本ゲイバーで、女人禁制とまでではないけど、初見の女性一人や女性同士が気軽に入ってくるとちょっと受け入れられない店。
タツヤは顔が広く、知り合いや友人が働いている行きつけがいくつかあるようだった。
ユウジはゲイの世界に飛び込んで比較的日が浅いので緊張気味。
私も緊張はしてたけど、タツヤが行った店ですごく私を嬉しそうに「美人でしょー!」と紹介してくれるので、満更でもない。
タツヤが紹介してくれるおかげか、その店の店子やママもとても優しく対応してくれた。
とは言ってももちろん会話に入れないことは多いから聞くスタンスの方が多い。
とても面白い。
テレビでニューハーフさんや女装家さんが話している、いわゆるおねぇの喋り方の人は店子には多い。
ゲイバーだから外見は完全に男性なのだけど、きっとその話し方って、キツイつっこみでも柔らかさや愛が伝わりやすいのだと思う。
話しやすいんだろうな。
もちろんノンケ(ストレート。異性愛者ね。)と同じ喋り方の人もたくさんいる。
そして、何より、会話がとてもウィットに飛んでいる。
いや、会話じゃないか?内容というより言葉のやり取りかな。
ワードスキルが高いというのだろうか。
その質問にそう答えて、そうリアクションして、突っ込むのか!みたいな。
これは勉強になるなーと思いつつも、真似できないやつ。
だけど、ふと真面目な話になれば真剣な眼差しで対話することも。
もちろんゲイだからとか、ゲイならみんなそうとか、そういうことではないのだけれど。
私にはとても新鮮な興味深い人たちだった。
私が優しく対応してもらえたのは、美人だから←自分で言う。というだけではなかったようだ。
テレビのイメージから、自分をディスって欲しいとか、構って欲しい、ゲイの友達欲しい、という欲求を持って現れる女子達には、ある程度期待に応えつつも厳しめになるらしい。
良かった、ミーハーな私がミーハーな気持ちで出会わなくて。
私は構って欲しいとかではなく、今まで気軽に打ち明けられなかった悩みを何の気兼ねもなく話せる開放感と、ゲイの人達の人間性への興味と尊敬を持って話していた。
私はタツヤがいなかったらゲイバーで本当にただの邪魔者でしかない。
大概の人が、友達と普通に話しているように見えて、好みの男性が来店しないか、出会いがないかをどの瞬間も求めてる。そんな場所で女の私は邪魔というよりむしろ目に入らない空気。それを私は最初からわきまえていた。
それが受け入れてもらえた理由のようだ。
そのことは私にとっては本当に気楽だということに気づいた。
美人だから←また言う。、どうしても男性の目を惹いてしまう。ついでに気を使ってしまうから話しかけられるとあまり無碍にできない。
かと言って優しく対応しすぎると勘違いされる。美人に優しくされたということは、と、願望が勘違いになる。
めんどくさ。
なので、処世術として、私はサバサバ喋るようにしたり、目を合わせすぎないようにしたり、あまり女ぽくしすぎない態度など身につけて来た。これは女性に嫌われないためでもある。
幸せな悩みなのかもしれないが、まあとにかく面倒なのだ。
おかげでノンケの男友達はできない。
だけど!!!ゲイの人を相手にすると、それが全く必要ないのだ!!!
可愛くしても優しくしても、私は恋愛対象でもなければ、恋愛における敵にもならない!!!
なんて素晴らしい環境!!!なんて澄んでいく私の心!!!
みんな私をちゃんと女性としては優しく扱ってくれるのだけど、恋愛とか下心とかがないと言う、その感覚に初めこそ戸惑いを感じたけれど、すぐに順応し、自分を解放する喜びを手に入れた。
と、ゲイバーの話のはずが、私の話にすり替わってしまいました。
でもね、これから二丁目に遊びに行く女子は、ぜひ参考にしてもらいたい。
テレビの世界の人達を求めるなら、観光バーへどうぞ♪